Windowsの外字といえば「外字エディター」
皆さん、Windowsで使う外字と言えば、真っ先に思い浮かぶのは「外字エディター」ではないでしょうか。言わずと知れた外字エディターは、Windowsに古くから存在し、「Windowsアクセサリ」のひとつとして搭載されてきたアプリケーションです。Windowsに標準付属されているので、無料で手軽に使えるのが特長です。
今回は、以前こちらのブログでも紹介しました、外字エディターの編集時の解像度を上げ、外字フォントの品質を上げることについて、掘り下げてみたいと思います。
外字エディターの標準の解像度
最初に外字エディターを立ち上げてみると、外字編集画面の標準設定のマス目が64×64ドットとなっています。 この画面だと、見るからにドット絵のごとくガタガタとした輪郭になってしまいそうです。しかし、これはあくまで編集画面のドットの細かさであって、実際作られる外字フォントの品質ではありません。作成後の外字は、この文字の輪郭=アウトラインをスムーズにつないで滑らかにしてくれます。このドット数の画像をアウトライン化しているにしては、なかなかきれいな曲線が作れていると言ってもよいのではないでしょうか。 しかし、結構きれいとは言え、読み込み元の高品質なフォントと比べてしまうと、交差して抜けるはずの部分がずれていたり、細かい部分ではカクカクとしていたりするのがわかりますね。
解像度を上げてみよう
外字エディターでは、Windowsパソコンの様々な設定が保存されている「レジストリ」という部分を書き換えることで、編集画面の解像度を上げることができます。 詳しい仕様は公開されていないようですが、デフォルトの64×64ドットから、96×96、128×128、256×256といった任意の解像度に変更ができるようです。
では、256×256に変えたときの編集画面の違いと、出来上がった外字フォントを挙げてみます。編集画面はマス目がかなり細かくなるため、編集作業の難易度が上がり、一から文字を作るのは難しそうです。ただし、外字エディターには既存の外字やフォントから字形をコピーして編集画面に読み込ませる機能があるので、それをもとにすればそれほど苦労はしないのではないでしょうか。 さて、出来上がった外字フォントを見てみましょう。64×64ドットでは気になった部分がなくなり、ほとんど違和感がありません。元フォントと比べた場合でもあまり差は感じないレベルとなりました。
解像度の変更方法とは
外字エディターの解像度を変えるための、レジストリの変更手順もご紹介しましょう。 なお、レジストリにはWindowsの様々な設定が保存されていますので、必要な部分以外を変更しないよう細心の注意が必要です(意図しない変化が起こる可能性があります)。レジストリを触る場合は全て自己責任となりますので、その点ご理解ください。 また、解像度を変更した場合、元の解像度で作成した編集画面は読み込めなくなりますので、ご注意ください。
1.レジストリエディター「regedit.exe」を起動。 レジストリエディターは、「ファイル名を指定して実行」から呼び出すことができます。ユーザアカウント制御の画面が表示された場合は「はい」をクリックします。
2.レジストリエディター画面の左側部分、ツリー状の項目から下記のように展開し「Bitmap」をクリックします。 HKEY_CURRENT_USER -> Software -> Microsoft -> eudcedit -> Bitmap
3.右側画面に「Bitmap」の配下のものが表示されます。そこにBitmapSizeという項目があります。これをダブルクリックすると「値の編集」ができる画面が開きます。表記を10進数に変え「値のデータ」を、128や256に増やしOKを押します。 ただし、この値は256が最大でそれ以上にすると正常に動作しない可能性がありますのでくれぐれもご注意ください。
4.この後、外字エディターを起動すると、指定した数のマス目の編集画面となります。
まとめ
外字エディターは編集時の解像度を変えることができ、それにより標準より品質の高い外字フォントの作成が可能になります。うまく作れば一緒に使うフォントと違和感のない外字も作れるのではないでしょうか。 繰り返しになりますが、解像度の変更にはWindowsの様々な設定が保存されている「レジストリ」を触る必要があるため、注意深くかつ自己責任で行う必要があります。実行される場合は、この点をご理解の上行ってください。
イーストから提供している人名外字シリーズは、高品質な外字フォントの他に、外字エディターで編集可能な形式のものが付属しており、製品に含まれない文字などは、外字エディターを使って追加していただくことができます。外字エディター用の人名外字は256×256ドット解像度となっており、外字エディターの解像度も付属のツールで変更することができるので、手軽に使うことができます。人名外字を外字エディターで使う方法などは、是非イーストまでご相談ください。