Adobe PDF Libraryの新バージョンがリリースされ、デジタル署名機能の強化、セキュリティの向上、ライブラリの更新が行われました。これにより、開発者は高性能なPDFソリューションを引き続き構築できるようになります。今回はそのリリースの概要をお伝えします。

 

新機能:タイムスタンプ(RFC3161)デジタル署名

今回のリリースの目玉は、PDF文書にタイムスタンプ署名を適用できる新機能です。これは、文書に対して検証可能な時間ベースの認証を安全に付与する方法を提供します。

タイムスタンプ署名は、署名証明書の有効期限が切れた後でも文書の署名の長期的な有効性を保証するため、コンプライアンスや監査証跡が求められるワークフローに特に有用です。

※    Linux 32ビットおよびAIX 64ビット環境では、タイムスタンプ署名は利用できませんのでご注ください。

 

セキュリティとライブラリの更新

ライブラリ更新について

新しい署名機能に加え、以下の重要なライブラリ更新が行われ、セキュリティ強化とパフォーマンス向上が図られています:

  • ICU v77.1                      :既知の脆弱性を修正し、国際テキスト処理を改善
  • libexpat v2.7.3               :安全なXML解析のための脆弱性修正
  • fmtライブラリ v11.2.0 :フォーマット処理の性能と信頼性向上
  • libtiff v4.7.1                   :画像処理の改善とセキュリティリスクの軽減
  • OpenSSL v3.5.2             :最新の暗号化とデータ保護機能を提供

これらの更新により、Adobe PDF Libraryはエンタープライズ向けPDFソリューションの安全な基盤としての役割を維持します。

 

パッケージバージョン情報

最新リリースのAdobe PDF Libraryは、下記よりご評価が可能です。

NuGet パッケージ バージョン: 18.54.0

Maven パッケージ バージョン: 18.54.0

その他お使いの開発環境用の評価版に関しては、イーストまでご相談ください。

このリリースの詳しい情報は下記にあります。

Release Notes

 

まとめ:信頼性を強化するアップデート

今回のアップデートは、PDFの信頼性を高めるための重要な機能強化です。デジタル署名や文書の検証、長期的なデータの整合性確保といった場面で、より安心して利用できる環境を提供します。

Adobe PDF Libraryは、開発者の皆さんが安全でコンプライアンスに準拠したワークフローを簡単に構築・維持できるよう、常に改善を続けています。これにより、法的要件やセキュリティが求められる現場でも、長期的に信頼できるPDFソリューションを実現できます。

イーストでは、Adobe PDF Libraryをはじめとする、Adobe純正テクノロジーを活用したPDFソリューションや、各種の業務に最適なツール、ライブラリをご提供しています。

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