はじめに

Excelは、多くの企業で利用されている非常に優れたツールです。
顧客管理や案件管理、進捗管理、集計業務など、さまざまな用途に活用できるため、「まずはExcelで運用する」といったケースも少なくありません。
実際、Excelだから問題なのではなく、業務に合わせて柔軟に運用できることは大きなメリットです。

一方で、業務の成長や担当者の増加に伴い、これまで問題なく運用できていた仕組みに少しずつ課題が見え始めることがあります。
「管理するファイルが増えてきた」「複数人で同じデータを扱うようになった」「特定の担当者しか内容を理解していない」といった状況です。こうした課題が増えてくると、「このままExcel運用を続けるべきか」「何らかのシステム化を検討した方がよいのではない」と考える企業も少なくありません。
しかし、Excelの次を考える際に重要なのは、最初に製品を選ぶことではなく、自社の業務課題を整理することです。

システム化を考えるタイミング

では、どのような状態になったらシステム化を検討すべきなのでしょうか。
例えば、次のような状況は1つのサインかもしれません。

  • 月末になると集計作業に追われる
  • 担当者が不在になると業務が止まる
  • 気が付くと似たようなExcelファイルが複数存在している
  • 同じ情報を複数のExcelへ転記している
  • 最新版がどれか分からなくなることがある

こうした課題は、Excelが悪いのではありません。業務規模や運用方法が現在の仕組みに合わなくなってきたサインとも言えます。

システム化の方法は1つではない

近年は、さまざまなサービスや開発手法が登場し、システム化の選択肢も増えています。
大きく分けると次のような選択肢があります。

業務に合った製品・サービスを活用する

顧客管理や販売管理、経費精算、ワークフローなど、多くの企業向け製品やクラウドサービスが提供されています。

比較的短期間で導入できることがメリットです。
一方で、独自の運用が多い場合は工夫が必要になることもあります。

ローコード・ノーコードで構築する

専門的なコードを書く量を抑えながら業務アプリを構築できるローコード・ノーコード製品も広く活用されています。

製品やサービスでは対応しきれない業務にも柔軟に対応しやすく、必要に応じて改善や機能追加を行いやすいことが特徴です。

スクラッチ開発する

業務に合わせてシステムをゼロから設計・開発する方法です。
独自の業務フローや複雑な管理ルールが存在する場合でも柔軟に対応できるため、自社に最適な仕組みを構築できます。
自由度が高い反面、開発期間やコストについては検討が必要になります。

重要なのは、「どれが優れているか」ではなく、「自社の業務や課題にどの方法が合っているか」です。
システム化を考える際は、まず方法を決めるのではなく、解決したい課題を整理することが重要です。

最初から最適解を見つけるのは難しい

ここまで紹介したように、システム化にはさまざまな方法があります。
そのため多くの企業ではシステム化を検討し始めると、まず製品を比較したり、開発手法について調べたりするところからスタートします。
しかし、実際には、システムを選ぶ前の段階で整理すべきことが残っているケースも少なくありません。

例えば、

  • 本当に改善したい業務が明確になっていない
  • 現場と管理者で課題認識が異なっている
  • Excel運用のどこに負担があるのか整理できていない
  • 例外業務や独自ルールが見えていない

といった状況です。

その結果「導入したものの期待した効果が得られなかった」「思ったより運用が変わらなかった」といった状態になることもあります。
システム化の成功に必要なのは、最初から最適解を見つけることではなく、課題を正しく整理し、適切な方向性を見極めることです。

まずは小さく試してみるという考え方

こうした場合に有効なのが、PoC(概念実証)です。
本格導入の前に小さな範囲で検証を行い、「本当に効果があるのか」「現場で運用できるのか」を確認するために実施します。
「特定の部署だけ運用してみる」や「一つの業務

だけを対象にする」といった進め方です。

いきなり全社導入や大規模開発を進めるのではなく、まずは小さく始めることでリスクを抑えながら検証できます。

PoCで見えてくること

・本当の課題が見えてくる

課題だと思っていたが実際には別の問題であったり、業務を見直すだけで改善できたりするケースもあります。小さく試すことで、本当に解決すべき課題を把握しやすくなります。

・必要な機能を整理できる

さまざまな要望が出てきて、運用してみると不要だった機能もよくあります。本当に必要な機能を見極める機会になります。

・次のステップを判断しやすくなる

PoCによって課題や必要な機能が整理できると、その後の方向性も見えやすくなります。

例えば、

  • ローコード・ノーコードで業務アプリとして展開する
  • 他システムとの連携機能を追加する
  • 業務に最適化したシステムへ発展させる

など状況に応じた改善を段階的に進めることが可能になります。

Excelの次を考える

重要なのは「Excelをやめること」や「どの製品を導入する」ではなく、課題を確認し、改善するための整理をすることです。

もし現在、

  • Excel運用が増え続けている
  • 属人化が進んでいる
  • システム化を検討しているが何から始めればよいか分からない

といった状況がありましたら、一度ご相談ください。

イーストでは、業務課題の整理からPoCの実施、ローコード・ノーコードを活用した構築・開発、スクラッチ開発まで段階的なご支援が可能です。
「Excel運用に限界を感じている」「システム化を検討しているが、何から始めればよいか分からない」このようなお悩みがありましたら、ぜひご相談ください。
現状の業務や運用状況を整理しながら、無理のない形で業務改善をご支援します。