皆さんよくご存じの「PDF」は、仕様が完全に公開されたファイル形式です。そのため、PDF を出力することのできるソフトウェアやライブラリは、非常に多くのものがあります。
それらの多くは、商用の有償製品なので、用途や使用条件が限られていたり、また使用や購入にそれなりの費用が掛かるものとなります。
その一方で、無料で使えるオープンソースの開発用ライブラリ(OSS)も多数存在しています。特にLinuxやJava、PHPなど、特定の環境や言語向けのものが有名でしょう。今回はPDFを操作するライブラリのうち、OSSのものを商用版と比較し、メリットとデメリットを説明してみたいと思います。

OSSのメリット①:無料で使える

OSSの一番のメリットとしては無料で使えることでしょう。同等のものを開発しようとするときのコストと時間、そしてそのメンテナンス費なども考えると、大きなコスト的なメリットがあると言えます。また一般的に商用のライブラリ製品もそれなりの価格となるため、商用製品と比較してもかなりのコスト削減になると言えます。

OSSのメリット②:信頼性、実績がある

数多くのユーザーに使用されているOSSは、既に多くの利用実績に裏付けされた信頼性があると言ってよいでしょう。明らかな不具合や、不正なプログラム、脆弱性が存在してもすぐに露見しますし、見つかった場合も利用者のコミュニティなどにより対応されるため、高い信頼性の維持が可能です。また自分で修正することもできます。
一方、商用製品の場合は、基本的に品質はメーカーが保証していますので、問題があればメーカーに確認すればよく、あまり自分で調べたりする必要は少ないでしょう。

OSSのデメリット①:保守・サポートが心配

メリットの多いOSSですが、もちろんデメリットもあります。
無償で公開されているソフトウェアなので、基本的に商用製品と違い開発元のサポートなどは期待できません。マニュアルなどが整備されていない場合もあります。利用する際には自己責任が基本で、疑問や不明点はオンライン上のコミュニティなどで公開されている様々な情報を活用しながら自力で解決していく必要があります。
一方、商用製品の場合は、通常はライセンス費以外に保守料金などの費用も必要なケースが多いですが、契約内容に沿って様々なサービスが受けられるので、利用にあたっての安心感は大きいと言えます。

OSSのデメリット②:導入・保守コストがかかる

OSSは、ライブラリそのものには費用は発生しません。ただし、導入にあたりライブラリの信頼性を確認するための調査や、セットアップにかかるコスト、使えるようになるまでの学習コストなど、商用製品と比較して、自分たちで行わなければならない点が多いため、その部分には時間やコストがかかると言えるでしょう。
商用製品の場合は、費用がかかる場合があるとはいえ、環境への適合性や導入支援などに関して、ある程度メーカーに依頼できるので自分たちの手間は少ないと言えます。

まとめ

簡単ですが、開発用ライブラリ製品のOSSと商用製品版のメリット・デメリットについてまとめてみました。OSSはライセンス費用が掛からない代わりに、導入や保守が自己責任、商用製品は費用が掛かる代わりに、メーカーが保証してくれる部分が大きく使う側の手間がかからないと言えます。目的に合わせて、またメリットとデメリットを比較して、うまく使い分けるとよいですね。

PDFを扱うための開発用ライブラリ、Adobe PDF Libraryは、Adobe製品で使用されているPDF処理を使った信頼性の高いライブラリです。PDFの開発元のAdobeの処理なのでAdobe製品で作られたPDFへの適合性などの点で、安心してお使いになれます。


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