Adobe PDF Libraryは、ユーザーシステムまたはプログラムに、Adobe純正のPDF処理を組み込めるライブラリ製品で、業界を問わず様々な分野で活用されています。今後いくつかの業界に分けて、Adobe PDF Library のようなPDFソリューションのご利用例を紹介させていただく予定ですが、今回は銀行や証券といったいわゆる金融業界でのご利用例をご紹介します。

導入の目的・用途

今回の事例は、銀行のお客様になります。この銀行の行内システムでは、PDF化された文書が非常に多く存在し、また毎日のように新しく作成されています。これらのPDFは、様々な業務の中で社内回覧されるものです。回覧に回す際、回覧元の担当者は、自分で使用しているクライアントPCにて、事前に機密レベルを表すスタンプ図形をPDFに付加したりすることや、閲覧にあたって留意すべき注記事項を追記したりといった作業を行う必要がありました。これらはあくまで定型的な作業に過ぎませんが、このためにわざわざPDF編集専用のアプリケーションを導入し、実施している状況でした。

導入の経緯

もともとこの銀行には、PDF等の文書ファイルを管理するためのドキュメント管理システムが使われていました。通常は、このシステム内で文書ファイルの登録や整理を行い、アクセス権限やセキュリティの管理などを行っていましたが、PDFそのものを編集する機能はありませんでした。


今回Adobe PDF Libraryを導入することで、PDF編集の処理を、このドキュメント管理システムの一機能として組み込むことが可能となりました。これにより別のアプリケーションを起動することなく、これまでのドキュメント管理システムの処理に加え、PDFへの加工処理までを実現することができました。

導入結果

導入にあたって一つ留意点があります。それは、Adobe PDF Library は、開発用のライブラリ製品であるため、そのまま使うことはできないということです。必ずアプリケーションやシステムにその機能を組み込むことで利用が可能になります。そのため、新規でプログラムを作ったり、既存のシステムに改修を行ったりといった開発作業が必要となります。

今回のケースのように、開発を行って既存のシステムに組み込んだ場合は、使い慣れた業務システムのワークフローの中で、PDF処理が追加されることとなり、シームレスな利用環境を提供することができました。また今回加えた機能は、PDFの本家Adobeによるテクノロジーを使用したライブラリであるため、信頼性の高い処理を実現することができます。
この「Adobe PDF Library」のご利用については、イーストまでお気軽にご相談ください。